創刊号:平成11年1月1日発行
勝岳会だよりWEB版
平成14年5月製作
《解説》
 法華経を読む人はたくさんいますが、殆どの人達は言葉の上で読みはしても、内心法華経を信ずるという人は少ない。また心に法華経を信じてはいても、身に行う事はなかなか出来ないのです。
 法華経を信仰するという事は、心に深く法華経を信じ、色(身)に法華経を実行する事なのです。
 この事、大変に困難な事でありますから、法華経を真に実践するという事は誠に尊い事なのです。
 
『新春にあたって』 勝光寺 龍嶽院 藤田尚哉
 日蓮聖人は、立教開宗以来、鎌倉の辻辻で教えを説いてまわられました。当時の世情は、死人が出る程の大飢饉と疫病がはやり、明日の生命(いのち)すらどうなるかわからない有様でした。そんな中にあって聖人は、法華経のすばらしさ、皆を救うのはこの経しかないことを力説されたのです。法華経を依り所とする信仰を、苦しい時だからこそより一層強盛に持ち、生活の糧としていくことを聖人は我々現代人に語りかけられているのです。
 上に載せました御遺文は、土龍(つちろう)に入れられておられた弟子日朗上人のもとへ日蓮聖人はお手紙を出され、逆境にある日朗上人を励まされておられる土龍御書の一文です。すなわち法難にあわれ、死ぬ程の思いをされている中にあっても、法華経の信心を忘れてはならない、聖人の強い姿勢を感じさせられます。
 今や日本全土が不況のどん底にあえいでいる状況です。仕事がないないとつぶやくよりも、自分で仕事を見つけ出し、新たに始めることが大切であり、なおさら信心強盛に歩んでいかなけれぱならないのではないでしょうか。
 
『勝岳会を振り返って』 藤田尚哉
 この度、新年を機に『勝岳会だより』を発刊させていただくことになりました。記念すべき第一号をお正月に出そうと、勝岳会の役員の皆様とも相計り、何とか創刊号を出すことが出来ましたこと、大変嬉しく思っております。今後は最低年二回の発刊を目指して取り組んで参りたいと思っております。
 さて、ご周知のとおり、『勝岳会』は昭和四十五年、先代日章上人が龍嶽院より勝光寺に入寺されて以来、両寺院の檀信徒の親睦を計るために発会されたものです。勝岳会の名称は、『勝光寺の勝の字』と『龍嶽院の岳の字』を一字ずつ取ったものであることは、容易に想像されます。しかも勝岳会が発会されてすでに二十八年もの歳月が過ぎたことになります。ところで、勝岳会を語る上で、どうしても逃してはならない遠い歴史があります。それは勝岳会が発会する以前に、先代日章上人が龍嶽院の住職であった頃に、檀信徒の会として存在した『龍泉会』という会の存在です。すなわち勝岳会は、龍泉会という基盤の上に組織されたものなのです。
 龍泉会なる会が何時発会したものかは定かでありません。しかし、日章上人が龍嶽院へ昭和二十四年頃に入寺されて以来、檀家もわずかばかりの荒寺を、二十数年かけて復興する間に、信徒が徐々に増え、その方々が龍泉会を創められたものと思います。
 当時の資料として存在するものはあまり残っておりません。その中で昭和四十一年正月に創刊された会報の『龍泉』を見ますと、創刊当時にはすでに龍泉会の名のもとに確固たる活動をされていたようであり、その会には青年部まであったようです。
 月一回第四土曜日の午後七時より例会を持たれていたようですし、『龍泉第六号』一昭和四十三年一月発刊)によりますと、例会が第二日曜日の午前七時からと、月二回に増えており、お勤めの後活動計画をたてられていたようです。また、大黒祭、節分お火焚祭、春秋彼岸、お盆、御会式などの行事のアシストとして準備を受け持ち、なおかつお盆の朝参り、寒中の行脚(寒行)にも参加しておられました。中には楽しみなこともあったようで、一緒に霊跡を参拝されておられますし、青年会として、既婚、未婚を問わず、家族ぐるみで海水浴にキャンプにと、時間を見つけては出かけておられたようです。
 中でも特筆すべきは、日蓮聖人門下連合会の合同の御会式で万灯を制作し、四条通を先頭を切って行列されていたことです。その時の万灯が、現在御会式の折、勝光寺の本堂に出してあります万灯なのです。
 このように一年を通じて多種多様、片時の暇もなく修行に励まれていた龍泉会の檀信徒の方々、そして若い人達を中心にした青年部の活動は、会報の会務報告欄に事細かに記載されており、その活動の広範さに驚ろかされます。さらに、会報『龍泉』は、ニケ月に一度の発刊とありますから、本当に頭の下がる思いです。
 これら龍泉会をもとにしながら、勝光寺、龍嶽院の檀信徒が新たに結束して『勝岳会』を発会させたのです。しかしながら時代の流れと共に、時が経ち、人も変わり、悲しいことではありますが、当所の会の主旨も変化をしてきたように思います。勝岳会になりましてから、霊跡参拝は続けておりますが、その他の活動はあまりしていないように思いますし、すべてが、義務的で惰性的になってきていると思います。すなわち龍泉会当時は、住職ならびに会員それぞれに勢いがあり、何かを生み出す、作り出す力が常に存在していたように思うのです。
 このような慢性的な会意識を改革する手立てとして「勝岳会だより」が存在すればと思いますし、これを通じて、檀信徒の皆様に、会を広く知っていただけれぱと思っております。そして更なる活動を開始してまいりたいと思っております。
 むかしより、「一年の計は元旦にあり」と云われます。年の初めに計を立て、すみやかに実行に移す。たとえ、成果が得られなかったとしても何も興さないよりは、貴重なものが残っていくと考えます。低迷の世の中にあって、勝岳会が檀信徒すべての方々の憩いの場としてますます発展していかなければならないと思う今日この頃です。
勝岳会会員の御紹介
勝光寺 龍嶽院 総代 田中偉夫(たなか ひでお)
 勝光寺、龍嶽院檀信徒の皆様あけましておめでとうございます。平素はお寺の諸行事に対し御支援、御協力を賜りまして厚く御礼申し上げます。
 さて、この度は以前より念願の会報の発刊をさせていただく運びとなりました。
 省みますと、今はなき先代龍雲院日章上人、そして当時の役員の皆様は、檀信徒の育成に一心に努められました。それはお寺の諸行事の充実、勝岳会の発会、また青年部を興したりというものでした。その一環として、会報の発行もされていたのです。
 それでは、なぜ再び会報の発行に至ったのか。
 平成八年には皆様の多大なる御協力により、勝光寺の客殿「龍雲殿」の完成を見ました。また平成九年には、住職藤田尚哉上人には、中山大荒行堂、第三行を見事成満されました。これにより、お寺の布教の場としての基盤が完成されたのです。そして、これからは皆様に仏教を、そしてお寺を知って頂くべく、先代皆様に習い発行したのがこの会報なのです。
 付きましては、この「勝岳会だより」がお寺と皆様とをつなぐ架け橋となる様、住職をはじめ役員一同、努めて行こうと思っております。末筆ながら貴家益々の御繁栄と御健勝をお祈り申し上げて発刊の御挨拶とさせて戴きます。
敬具
平成十一年元旦
◆次に、勝岳会の会則を載せましたので御覧下さい。
 
勝岳会会則
一、 本会は勝岳会と称し勝光寺、龍嶽院檀家及び信徒により構成する。
一、 本会は両寺の行事について全面的に参画し、行事が円滑に行なわれるように寄与する。
一、 本会は会員のすべてが日蓮宗徒としての本分をつくすため研修会等を計画すると共に、会員相互の親睦ならびに向上を計るを目的とする。
一、 本会は定期的な総会は行なわず、重要議案ある際は臨時総会を開催して議決する。
一、 本会は住職が名誉会長となり、会長一名、副会長二名、会計一名、その他世話人、監査一名に依り会の運営に当たり任期を三年とする。但し再任を妨げず。
一、 本会は会費を徴収し、年一回会計報告すると共に会の運営が円滑に行われる様にする。
一、 本会の事務所を勝光寺内に置く。
 
種々の御連絡は、田中 偉夫 迄申し出下さい。
【住所】京都市中京区御池通り新シ町東入ル織物屋町209
【電話】075(821)5360
勝岳会行事案内
<年中行事>
【6月】
  物故者追善法要 勝光寺に於いて
過去一年間に亡くなられた会員の方を始め、皆さまのご先祖さまのご供養を営む法要です。
【8月18日】
  川施餓鬼法要 琵琶湖に於いて
  湖上に於いて、水没社の霊、ひいては全ての精霊を追善供養する法要です。
【11月】
  御会式・バザー出店 勝光寺に於いて
  平成十年、御会式に於いてバザーを企画いたしましたところ沢山の品をお持ち下さいまして有難うございました。バザー収益は、勝岳会会計に計上させて頂き、会の行事、お寺への援護として使用させて頂きます。本年も更に頑張っていきたいと思っております。
【12月】
  すす払い、大掃除 勝光寺・龍嶽院に於いて
  師走は一年間の締めくくり、大掃除を致します。
<毎月の行事>
【16日1時半より】
  写経会 勝光寺に於いて
お経には、お釈迦さまの教えが説かれています。お釈迦さまは、お経を写す(写経)ことには大変な功徳があると説かれています。
◆皆様のご参拝、ご参加をお待ちしております。

《お知らせ》
【1月の寺の行事】
  初詣り大黒尊天福寿祭 とき:15日
皆様の御自宅にお祭りされている大黒様をお持ちより下さい。新しい金色のご幣、福笹を授与致します。ご希望の方には、新しく大黒様の授与も行ないます。
【2月の寺の行事】
  国祷会
  (荒行僧による特別祈祷会・御火焚祭・星供養会)
投稿を求む!
皆様からの投稿を、広く募集しております。
◎寺子屋コーナー
お寺や、仏事の素朴な疑問にお答えします。
◎俳句、短歌のコーナー
我こそは!と思われる方、是非ご投稿を!
◎伝言板のコーナー
  おいしいお店、安く買えて得をするお店、お出掛けするなら此処が良い、などなどオススメの場所をご存知の方、またお探しの方は御連絡下さい。
※その他、何でもドシドシお寄せ下さい。
教えて!
倉橋かほるさんが、茄子のカラシ漬のおいしい店を探しています。店の名前は不明ですが、狸谷神社の近くキララ坂の付近に店を構えているそうです。これについて何か情報をおもちの方はお寺までご一報を!
《編集後記》
◇ようやく『勝岳会だより』創刊号を作ることが出来ました。
 住職、御苦労様でした。
 田中偉夫様をはじめ、役員の皆様には、ご多用のなか御協力していただき誠に有難う御座いました。パソコンを使っていると気になるのが2000年問題。西暦を二桁までしか計算しなく、西暦2000年がカウント出来ず混乱が生じるというもの。はじめに四桁にしておけば、西暦10000年、100世紀までの、あと8000年は問題無く使えたのに。しかし、パソコンは、8000年間なんの問題も無く使えたとしても、その頃人類は存在するのだろうか?いや、その前に私の子孫はいるのか?いないかも知れない。いや、いないだろう。そんなおバカな事を考えている今日この頃。
 しかし、そんな事を考えていると、未来につながる今を大切にしなければと思います。
 それでは100世紀の勝岳会の繁栄を、20世紀最後の元旦にお祈りして。  
合掌(福澤)